田後90楽器博物館#27
オカリーナというと、以前はシングル管が多かったのですが、最近はダブル管、トリプル管も増えてきました。
この「シングル」とか「ダブル」「トリプル」とか言うのは、オカリーナの吹口の数のことを言います。
シングルの場合は、吹口は1つ。ダブルは2つ、トリプルは3つあります。
吹口が3つの場合、ハーモニカのように、3つの吹口を吹き分けるわけです。それぞれの吹口が別々のオカリーナ。つまり、ひとつの楽器のように見えるけれども、3本の音域の違うオカリーナが3つ並んでいるように作られたオカリーナというわけです。
基本となる低音のオカリーナは、シングルと同じくらいの音域があって、2番めの音域と3番目の音域が少しずつ上に伸びているというような感じです。
なんでそんなややこしい楽器が作られたのかというと、やはり何といっても、オカリーナという楽器は音域が狭いわけです。音域の狭さが制約になって、吹ける曲が限られてしまう。1オクターブ半くらいの音域ですから、それ以上の音域がある曲になると、音域の広い部分を少し変えて吹くか、どこかで楽器を持ち替えて演奏することになります。
それをそのままで持ち替えないで演奏ができる、というのがダブル管、トリプル管のオカリーナの最大のメリットというわけです。
問題になるのは、指穴の数が増えることと、大きく重くなるということです。
指穴の数が増えると、指使いがそれだけ複雑になります。
大きく重くなると、長時間の演奏では、疲れてしまいます。
そこへいくと、この「センジュオカリナ」は、トリプル管でありながら、指穴はそんなに多くなく、とっても軽い楽器です。
センジュオカリナ、トリプルF管
この楽器は、トリプル管で有名なイカロス(波多野杜邦氏が創始者)を作っている北爪恒彦さんという方が作ったF管のトリプル管です。
なんと、普通のF管よりも小さく、しかも音色がとても澄んでいます。
値段が安いのも魅力です。
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