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上質な心を持つことの意味

 誰もが、木綿のシャツよりもシルクのシャツの方が上質だと思うだろう。軽自動車よりもベンツの方が上質だと思うだろう。田舎のアパートの一室よりも都会のマンションの方が上質だと思うだろう。中卒より東大卒の方が上質だと思うだろう。

 人々の思考の中には、優劣をつけて考える思考がある。それが自然な思考なのだと思う。いつも清潔なブランドのシャツを着たい。ピカピカの高級車に乗りたい。洗練されたマンションで暮らしたい。我が子だけはいい学校に進学してほしい。

 そこにある心はどうだろうか。シャツやクルマや家や学歴で心が変わるだろうか。

 そこには、経済的格差があるだけで、決して心に格差があるわけじゃない。シルクのシャツを着ていても、心が温まらない人もいる。ベンツに乗っていても、ロールスロイスじゃないと満足できない人もいる。マンションに暮らしていても田舎に暮らしたい人もいる。東大を卒業してもその意味を見つけられない人もいる。

 心を見つめた時、その心の穏やかさ、豊かさ、確かさを感じられるなら、それこそが上質な心なのだろうと思う。

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