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essay music

2つの夜のライブ1《沢庵寺》

上質なアート作品は、心を豊かにしてくれる。

音楽の場合は、ライブがいいな。心が落ち着き、やわらぐ感じがする。

そう思えるライブに、久しぶりに行ってきた。

2018年6月8日金曜日の夜、Apon(アポン)の3人で雨の中クルマを走らせ、出石に行った。

一般社団法人ワンノート豊岡主催の宗鏡寺(すきょうじ=別名「沢庵寺」)でのパン・パシフィック・ジャズ・アンサンブルの演奏を聞くために。

演奏開始から少し遅れて到着すると、夜の闇の中にテナー・サックスの音が柔らかく響いていた。

初めて行ったお寺の夜の庭も本堂も美しく、とても素晴らしかった。

何より、演奏者をはじめ、来られている皆さんの表情がとても穏やかで柔らかく、ステージが背にしているお堂の奥にある仏像も、覗いてみると少し微笑んでいるように見える。

モリアオガエルなのか、カジカなのか、夜の闇の中で時おり、カエルがリズムを刻むように一斉にひとしきり歌い、休む。

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途中、休憩があり、おもてなしの、おつまみの皿が回ってきた。唐揚げやくるみ、アーモンドに混じって、沢庵漬けがある。

来るときにちらっと見えた「沢庵寺」の文字の意味がやっとわかる。

ここは、沢庵漬けが生まれた寺なのだった。この沢庵が小粒で、ポリポリ歯ごたえがあって、滋養があり、いい塩梅の味加減でうまい。

パン・パシフィック・ジャズ・アンサンブルは、北欧のニクラス・ウインターさん(g)とエミール・ヘスさん(t.sax)の二人のユニットで、この日は、吉岡泰祐さん(b)、三浦敦子さん(p)の4人での演奏だった。

ベースの吉岡さんが進行役だったんだけど、ニクラスさんがフィンランド出身、エミールさんがデンマーク出身で、北欧の二人が英語で話すのを、うまく伝えられず、そこに英語の堪能な方が偶然客席にいて、通訳を買って出てくれて、すっかりそのお客様の通訳を期待する雰囲気に(笑)。

どうやって、打ち合わせやリハーサルをしたのかなぁ。

終演後、すっかり暗くなった庭に残っていたホタルが、かすかな光を明滅させていた。

いやー。音楽って、ほんと、いいもんですねー。(水野晴郎調に)

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