「ファはファなのに、ファから始まるドレミがあるって、意味がわからない。」
その方には、そう言われました。
私はこう言いました。「『ドレミファソラシド』というのは、『1番目、2番目、3番目・・・』くらいの意味で、パターンの名前なんですよ。だから、まず音の名前は、ドレミではなく、ABCで覚えてください。その「ABCDEFG」を日本では「イロハニホヘト」でいう場合があります。ハ長調の「ハ」というのがそれです。
A | B | C | D | E | F | G |
イ | ロ | ハ | ニ | ホ | ヘ | ト |
皆さんがドレミと言っているのは、ハ長調のドレミ
これは正確に言うと、「C」の音(ハの音)から始まるドレミなんです。また、この場合の「ドレミ」のことを「音階」または「スケール(Schale)」と言います。あなたが以前聞いたことがある「ファから始まるドレミ」というのは、「F」の音(ヘの音)から始まる「ヘ長調のドレミ」であって、Fのメジャー・スケールとも言ったりします。
ドレミというのは、音階であるパターンの名前ですから、そのパターンの約束事があります。それは、ミとファ、シとドの間は半音1つ分、という約束事です。他のドとレ、レとミ、ファとソ、ソとラ、ラとシの間はすべて半音2つ分です。ギターで弾くと、半音1つ分はフレット1つ分になります。Fのメジャー・スケールをこの約束事に当てはめてみると、単純にFGABCDEFと並べるだけでは、半音の位置がずれるので、Bの音を半音下げてB♭にする必要があるのです。
ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ | ド | |||||
C | D | E | F | G | A | B | C | |||||
D♭ | E♭ | F | G♭ | A♭ | B♭ | C | D♭ | |||||
D | E | F♯ | G | A | B | C♯ | D | |||||
E♭ | F | G | A♭ | B♭ | C | D | E♭ | |||||
E | F♯ | G♯ | A | B | C♯ | D♯ | E | |||||
F | G | A | B♭ | C | D | E | F | |||||
G♭ | A♭ | B♭ | C♭ | D♭ | E♭ | F | G♭ | |||||
G | A | B | C | D | E | F♯ | G | |||||
A♭ | B♭ | C | D♭ | E♭ | F | G | A♭ | |||||
A | B | C♯ | D | E | F♯ | G♯ | A | |||||
B♭ | C | D | E♭ | F | G | A | B♭ | |||||
B | C♯ | D♯ | E | F♯ | G♯ | A♯ | B |